ぼくのデザインの教科書/柳 宗理【エッセイ】

こんにちは。SHINPEIです。

デザインの専門学校に通っていたときによく読んだ一冊。

 

柳 宗理 『エッセイ』

言わずと知れた戦後日本のインダストリアルデザイン界を発展させた巨匠、柳 宗理先生が、88歳のときに刊行されたエッセイ選集。

ぼくにとってデザインの教科書的な一冊です。

デザインに対する考え方のみならず、モノを選ぶ視点をも与えて頂きました。

この本で初めて知ったアノニマス・デザインという言葉。

直訳すれば『無記名のデザイン』ですが、この中では『機能を満たすのにもっとも即したかたち』という意味合いで語られています。

 

デザイナーがいなくても、各技術が有機的にうまく融合されている場合がある。これはアノニマス・デザインと言われていて、大変美しいものである。野球用のバット、グローブ、化学実験用のフラスコ、ビーカー、或は人工衛星等。

 

まるで一遍の詩のような美しい文章。

また、こうもおっしゃってます。

 

本当の美は生まれるもので、つくりだすものではない。

 

優れたデザイナーは、自然の法則になるたけ従い、出来るだけそれを利用した人である。

 

 

そんなアノニマスデザインの名品を、柳先生の視点からセレクトして語る章が見どころ。

BRAUNの電卓や、ケメックスのコーヒーメーカーデニムジープ、、

これらの魅力をひとつひとつ丁寧に語っていくのですが、その中で船を繋ぐボラードを選んでいたところは当時目から鱗が落ちました。

あとは柳先生がイームズハウスを訪れコーヒーを提供された際に、角砂糖が理科の実験用の蒸発皿に入れていて感銘を受けた、というお話が大好き。

 

改めてうちのプロダクトをみると、デロンギのポットなど、このエッセイからの影響を受けている気がします。

もちろん柳先生ご自身のプロダクトもたくさん持ってます。

 

かの名品バタフライスツールができるまでのお話や、白磁陶器を納めたが模様が入ってないからと却下されてしまったお話(笑)など、もちろん他にも見どころ満載です。

今回久々に見直しましたが、新しい気づきもたくさん。

特にシャルロット・ペリアンに従事なさっていたというのを見落としていてびっくりしました!そうだったんだ、、

 

それでは今日はこの辺で。ありがとうございました。

SHINPEI

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